Raspberry Pi Zero WをUSBケーブル1本でセットアップする方法
2017/08/21更新
RASPBIAN STRETCHに対応しました。必要機器を見直しました。
こんにちは、だいぱんまん(@donchan922)です。
Raspberry Pi Zero W買いました!技適マークもきちんとあります。ようやく国内販売されましたね。
購入したらまずはセットアップ。方法としてはいくつかあるんですが、その中でも最小限の機器で手っ取り早くセットアップができるUSB-OTGを用いて行いました。簡単に言うと、Raspberry Pi Zero WとPCをUSBケーブルでつないで設定を行う方法です。ディスプレイやキーボード、マウスは必要ありません。楽チンです。
ということで今回は、Raspberry Pi Zero WをUSBケーブル1本でセットアップする方法をご紹介します。
- 準備するもの一覧
- OSをダウンロードする
- microSDをフォーマットする
- microSDにOSを書き込む
- SSH接続するための設定を行う
- USB-OTGを使用するための設定を行う
- 機器を接続して起動する
- 初期設定を行う
- まとめ
準備するもの一覧
すでにPCがあることを想定しています。ちなみに今回のセットアップでは、Mac(macOS Sierra v10.12.5)を使用しました。以下、準備したものです。
microSDカード
最低4GB、推奨8GB以上です。
Raspberry Piシリーズ全般において、microSDカードとの相性の良い・悪いがあるようです。以下サイトで動作確認報告があがっているので参考にしてみては。ちなみに上記microSDカードで正常動作することは確認しています。
SDカードリーダ
PCにmicroSDカードを読み込ませるやつ。PCにSDカードリーダが備えつけられている場合は不要です。
USBケーブル
USB2.0ケーブル(タイプAオス-マイクロBオス)を用意しましょう。スマホの充電に使う一般的なUSBケーブルです。1本必要。
OSをダウンロードする
以下公式サイトから今回使うOS「RASPBIAN STRETCH LITE」のZIP版をダウンロードします。バージョンは現時点で最新のAugust 2017(2017-08-16)
を用います。
Download Raspbian for Raspberry Pi
公式サイトが重たいときは以下のミラーサイトからダウンロードしましょう。10分ほどでダウンロードできました。
microSDをフォーマットする
SD Formatterというソフトを使ってmicroSDをフォーマット(初期化)します。操作は簡単。WindowsとMacに対応しています。
SD Memory Card Formatter - SD Association
PCにmicroSDを読み込ませた状態でSD Formatterを起動します。自動でmicroSDを認識してくれるので、あとは「クイックフォーマット」を選択し、「フォーマット」ボタンを押すだけです。数秒で完了します。
microSDにOSを書き込む
Etcherというソフトを使ってダウンロードしたOSをmicroSDに書き込みます。マルチOS対応で操作もすごく簡単なすごいやつ。
balenaEtcher - Flash OS images to SD cards & USB drives
PCにmicroSDを読み込ませた状態でEtcherを起動します。「Select image」を選択し、さきほどダウンロードした「RASPBIAN JESSIE LITE」のZIPファイルを選びます。ZIPのままmicroSDに焼けるのはいいですね。
あとは書き込むmicroSDを自動で認識してくれるので、最後に「Flash!」を選択するだけ。5分でmicroSDにOSを入れることができました。簡単!
SSH接続するための設定を行う
2016/11/25からセキュリティの関係で、デフォルトでSSH接続が無効化されています。
Raspbian 2016-11-25リリース | Japanese Raspberry Pi Users Group
でも大丈夫、SSH接続をセットアップ時に有効化する方法もきちんと用意されています。以下その手順です。
microSDのboot
ディレクトリにssh
という空ファイルを作成します。これにより、Raspberry Pi Zero Wの起動時にSSH接続を有効化してくれます。
以下コマンドでssh
という空ファイルを作成します。Windowsならエクスプローラの該当ディレクトリ上で右クリック
>新規作成
>テキスト文書
で簡単に空ファイルを作成できます。Windowsいいな。。
$ touch /Volumes/boot/ssh
USB-OTGを使用するための設定を行う
microSDのboot
ディレクトリにある以下2つのファイルを書き換えます。
- config.txt
- cmdline.txt
config.txtについては、dtoverlay=dwc2
を末尾に追記します。以下コマンドで追記できます。
$ echo "dtoverlay=dwc2" >> /Volumes/boot/config.txt
cmdline.txtについては、modules-load=dwc2,g_ether
を追加します。追加場所は以下のとおりです。rootwait
のあとに追記します。
dwc_otg.lpm_enable=0 console=serial0,115200 console=tty1 root=/dev/mmcblk0p2 rootfstype=ext4 elevator=deadline fsck.repair=yes rootwait modules-load=dwc2,g_ether quiet init=/usr/lib/raspi-config/init_resize.sh quiet splash plymouth.ignore-serial-consoles
機器を接続して起動する
機器を接続するとこんな感じになります。microSDをRaspberry Pi Zero Wに差し込み、PCとRaspberry Pi Zero WをUSBケーブル1本で繋ぐだけです。
以下コマンドでSSH接続します。初期のIDはpi
、パスワードはraspberry
です。ホスト名を指定する場合、WindowsではBonjourというソフトウェアが必要です。iTunesをインストールすれば自動的にBonjourもインストールされるようです。Linuxの場合、avahi-daemonが必要です。Macの場合、何もする必要はありません。
$ ssh pi@raspberrypi.local
うまくSSH接続できれば以下コマンドが表示されます。
pi@raspberrypi:~ $
初期設定を行う
ここからはRaspberry Pi Zero Wの初期設定を行います。ここからは個人によって必要・不必要あるかと思いますので、お好みのものだけ設定してください。
Wi-Fi設定
以下コマンドでWi-Fiの設定ファイルを開きます。
$ sudo nano /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
ファイル末尾に以下を追記します。Wi-FiのSSID
とPassword
は環境に合わせて変更してください。ファイル保存は「ctrl+x」⇒「y」⇒「enter」で行えます。
network={ ssid="SSID" psk="Password" }
以下コマンドで、設定ファイルを読み直し、変更内容を反映させます。
$ sudo wpa_cli reconfigure
以下コマンドで、Raspberry Pi Zero Wを再起動して接続しなおし、Wi-Fiの設定がきちんと行われているか確認します。inet
にIPが表示されていればOKです!
$ sudo reboot
$ ssh pi@raspberrypi.local
$ ifconfig wlan0
Bluetooth設定
スマートフォンやワイヤレスキーボード、マウスを接続したい!という人向けの設定です。
まずは以下コマンドでBluetooth設定を起動します。
$ sudo bluetoothctl
以下コマンドで、対象のBluetooth接続機器を特定し、その機器とペアリングします。
# スマートフォンと接続する場合は以下3行を入力する [bluetooth]# discoverable on [bluetooth]# pairable on [bluetooth]# agent on [bluetooth]# scan on .... [NEW] Device XX:XX:XX:XX:XX:XX Nintendo Wireless Keyboard ... [bluetooth]# scan off [bluetooth]# pair XX:XX:XX:XX:XX:XX
次回起動時に自動接続したい場合は、以下コマンドを実行します。
[bluetooth]# trust XX:XX:XX:XX:XX:XX [bluetooth]# exit
言語と地域設定
言語と地域を日本に設定したい!という人向けの設定です。以下コマンドで、Raspberry Pi Zero Wの設定画面を開きます。
$ sudo raspi-config
4 Localisation Options
-> I1 Change Local
に進み、以下項目をスペースでチェックします。
en_GB.UTF-8 UTF-8
ja_JP.EUC-JP EUC-JP
ja_JP.UTF-8 UTF-8
デフォルトの言語を聞かれるのでja_JP.UTF-8 UTF-8
にしておきます。これでRaspberry Piでも日本語が表示されるようになります。
タイムゾーンの設定は以下のとおり。
I2 Change Timezone
-> Asia
-> Tokyo
Wi-Fiを使用する国の設定は以下のとおり。
I4 Change Wi-fi Country
-> JP Japan
ソフトウェア最新化
以下コマンドでソフトウェアを最新化しておきます。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get upgrade
まとめ
以前Raspberry Pi 3をセットアップしたことがあるせいか、Raspberry Pi Zero Wの初期設定はあっさりとできてしまいました。USBケーブルを使ったセットアップは手軽でいいですね。